ヴァグナー・シュテンペル

そして翌々日、小雨の中いよいよシュテンペルに到着しました。

「やぁ、ようこそ。」
「ええ、こんにちは!よろしくお願いします。」

ダニエル君が、彼独特のちょっとはにかんだステキな笑顔でお出迎え。 快活でやんちゃだけど、照れ屋さん。

本当に素晴らしいワインを作りますが、どこにも気負いやきどりがなく、 一緒にいるだけで、心地よくなる人、それがダニエル・ワグナーであり、 ワインもそのままかなりピュアで自然体です。

今シュテンペルでは、蔵の横の牛舎だった古い建物(1840年築)を ワインと地元のお料理が楽しめ、泊まることもできるゲストハウスに 改築したとかで、お客様と歓談されていたにも拘わらず、 中からお母さんがわざわざご挨拶にいらしてくださいました。

と、お父さん、妹さんと次々ご挨拶に出てこられて、あっというまに大人数に。
さすがファミリー経営、チームワーク抜群です。


ワグナーファミリー勢揃い!

蔵に入ると、1800リットル入りのジャーマンオークの大樽がドドンと並んでいます。

百年は繰り返し使うことができるという優れもので、新婚さんのダニエル君、 新妻カトリーヌさんとふたりの名前を刻んだ新樽がしつらえられていました。

2005年は前年より収穫が15%も低く、「品質は更によくなった」とか。

ホッホゲベックスは30hl/haで、ロマネコンティなみの収穫量です。

280mという高い位置にある畑は傾斜が30度という大変なスロープで、 冷涼でありながら、暑い夏となって素晴らしい凝縮だったそうです。

ワインに使う樽は、フランス産、ハンガリー産、アメリカ産など様々。

収穫したブドウは選果した後、特種なバットに入れ圧搾機に直接移します。 通常、どの蔵でもポンプでブドウを移動させるのですが、 そうなるとせっかく手摘みした大切なブドウが、酸化する危険性があるので、 品質低下を防ぐために、この方法をとっています。

畑から移送するときも、コンテナは800キロ以下の積載量で酸化予防。

とにかくいずれの名人と同じくダニエル君もあれこれ芸が細かい。


やはり、はにかまずにはおれない


ゲストハウスです。


この日も蔵訪問のお客様がいっぱい


結婚記念の大樽


アメリカンオーク、ハンガリーオーク


さて、いよいよミネラルたっぷりで、パーカー氏から93点という 高得点をたたき出したあの「ポルフィル」の畑を見に行く事になりました。

2005年がロマコンなみの収穫量で、海抜280m、傾斜30度の ポルフィルはもうどこまでも車で登っていった山のかなり上部にあります。

その傾斜の厳しいことといったら、下を見下ろすだけで高いところが弱い私は眩暈が。 目を見張ったのが、畑を開墾した当初から積み上げられた「ポルフィル=岩片」。


これがポルフィル

うず高く積み上げられた岩片を見るにつけ、 開墾する大変さもさることながら、その数からして、ブドウにしっかり ミネラル分やフリンティな味わいを演出する美味しさの元がこれかと大納得。

冬の間は、樹間には菜の花などの決まった種類の野菜を植えることで、 土の流出を防ぎ、バクテリアなどを繁殖させて土壌の成分を豊かにしておくそうです。

戻りは、がたがたの細い山道(道がない)をオフロード車が猛烈な速さで 駆け下りて行き、私の心臓はバクバク。

「ダニエルさん、すっごい跳ねてますけど(車が)大丈夫ですか〜!?」
「ハッハ〜、大丈夫大丈夫、まかして、まかして〜。」

恐がる私を尻目に、車は元気に山を駆け下りて、ステキな彼の本宅に無事到着。


特別なお客様だけをお迎えする本宅

お家も古い古い家具で飾られ、温かで居心地のいい空間に、 彼のご自慢のワインがズラリと15本並べられました。

ひとつひとつが清水のような透明感、果実の深さ、旨みとコク。

リースリング、ヴァイサーブルグンダー、シルバーナー、 どれもこれもエキスの芳醇さをまとい、最高の仕上がりでした。

「僕のワインはどうでしたか?」

「えっと、ですね、ひとつひとつがとっても完成度が高くって、 う〜ん、う〜ん、っと、初めて貴方のワインを飲んだ時から もう素晴らしくって、感動して、・・・・そのなんというか・・」

面映そうにダニエルの視線が私の口元から出る音を聞いています。

「つまり、私がいいたいのは、とにかくもう、貴方のワインというのは 私にとっては とってもとっても特別だってことです!」

  「わぁ、やったー!!」

ダニエルの顔が笑み崩れながら高揚し、またまたはにかんでステキな笑顔です。

小さな子供の心のまま大きくなったこの人の笑顔と美質。

それがワインにすべて注入されている、そんな感動を与えてくれる ダニエル・ワグナーのワイン。


畝の仕切りにポルフィルで壁が


どれがいいかなぁ〜。


小さめのポルフィル


野菜(菜の花類)が植えられています。


玄関にさりげなくお花が


長い歴史を刻む調度品


大御所、おばあちゃんもご挨拶に

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